1626差動PP直結アンプ
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1626は私にとって初めての差動PPアンプである1626 PP Stereo Amplifierに使用したが、直結化の過程で6FM7差動PP直結アンプ に作り替えてしまった。
球自体に魅力がなかったわけではなく、6FM7で差動PP直結アンプを作るためにシャーシーやトランス類を流用しただけである。

その時に使った電源トランスは5687差動PP直結アンプに使い回されている。この5687差動PP直結アンプも小出力差動PPの実験を経て製作したが、あくまで代打である。
この電源トランス(タンゴST-130)では実験した45差動PP直結は無理であるが、1626差動PP直結では問題なく使用できる。
将来的には電源トランスを買い換えて45差動PPやEL34差動PPを製作するつもりであるが、 その前に1626で直結の差動PPにトライしてみる。

サブ・パネル

ぺるけ標準シャーシー、タンゴFE-25-8(出力トランス)、タンゴST-130(電源トランス)を使用して1626差動PP直結を製作するが、ドライブ段はいろいろと実験して実績のある 12AT7SRPP差動とする。
しかし、ぺるけ標準シャーシーはGT管用の穴が6個しか空いていないので、MT管を4本挿すことができるサブ・パネルを作り、中央のGT管取り付けスペースに配置する。

構成

回路は筆者定番のSRPP直結であるが、ちょっとした工夫がある。
この回路ではSRPP段と終段のカソード電圧が100V程度となり、球のH-K耐圧が不足するので、B電源を分割してヒーターにバイアスをかける。
今回は終段の定電流回路に挿入した抵抗を1kオームと680オームに分割して、1kオームの両端に発生した50Vをヒーター・バイアスとした。
タンゴST-130にはバイアス用の30V巻線があるので、これを半波整流してC電源とした。
12Vツェナーを挿入してあるが、安定化ではなく、16V耐圧の電解コンデンサーを使うためである。

特性

ノン・クリップ出力は1.6Wで、その時の入力は1.5Vも必要であるが、使用している自作DACの ゲインがあるので、トータルでは不足はない。
2.5dBのNFBをかけてDF=2.5である。

裸特性は素直であるが、DF改善のために軽くNFBをかけてある。

歪率特性は「WG、WSによる歪率の測定」によるデータである。
私の環境では実際よりも大きな数値になっていると思われるが、相対的な比較には使える。
1kHz、10kHz、100Hzのカーブが良く揃っている。

クロス・トーク特性は出力0.5Wに設定して測定した。
R-CHに入力しL-CHの漏れ測定のデータが良くないが、それでも20Hz-30kHzにおいて-70dB以上を確保できており、全く問題ない。

調整

調整は前段のカソードに入っている100オームのボウリムで行うが、事前準備が必要である。
先ず、特性の揃った12AT7ペア2組を用意する。私は手持ちの十数本の12AT7を測定して、特性の揃ったペアを作った。
測定方法は、
こちらを参照してもらいたい。
次に1626のペア2組も用意する必要がある。手持ちの1626は4本しかないが、前回、直結ではない1626差動アンプを作った際のペアを踏襲した。

PPを構成する1626のカソードの両端に電圧計を接続してその電位差が±0mVとなるように100オームのボウリムを調整する。
幸い、用意したペアで両チャンネルとも±0mVとなったが、ボリウムを回しても調整範囲に入らない場合はペアとなっている真空管を上下で入れ替えて、その電位差が最小となる組み合わせを探す。

それでもダメな場合はSRPPの上段カソードに入っている2.2kオームに10kオーム程度の抵抗をクリップで並列接続して電位差を測定する。偏差が大きくなるようであれば、下段の2.2kオームで同じことを行い、偏差を観察する。
これでも±0mVにならない場合は並列接続する抵抗値を変えて同じことを行い、最終的に電位差が±0mVとなるようにする。

本機では、前段はサブ・パネルに配置してあるので、シャシーをひっくり返しても抵抗にアクセスできないので、用意したペアで調整できてラッキーであった。
1626PPの電流アンバランス(mA)はカソード両端の電位差(mV)をカソードに挿入した抵抗4.7オームで除したものとなる。
例えば、電位差が10mVであれば、電流アンバランスは2.1mAとなる。
FE-25-8の許容アンバランス電流は6mAであるので、電位差に換算すると28.2mVまでが許容範囲となる。

30分ほど通電して±0mVに調整し、一旦、スイッチを切り十分に冷やし、次にコールド・スタートした時点からも許容範囲に入っていたので、何とかなっているようである。
ただし、季節が変わったり、真空管の経年変化があったりすれば、当然、許容範囲から外れる可能性があるので、再調整が必要となる。
シャーシーをひっくり返さなくても調整できるように測定ポイントをシャーシー上面に設けると便利である。 なお、ボリウムはサブパネル面に配置してある。

まとめ

試聴結果であるが、音の傾向は今まで製作した差動PP直結アンプと似通っている。
ちょっと聴いただけでは本機の方が何となく「特徴のないおとなしい音」と感じるが、聴き込んでいくと確実にアップグレードしている。
今までのアンプの出力トランスは東栄のOPT-10、今回はタンゴFE-25-8と値段に数倍の開きがあるが、値段相応に低音に厚みが加わり、立体感が増した感じは良くわかる。
最終的には電源トランスを換装して45とEL34を試す予定であるが、しばらくはこのまま聴き込んでみたい。

手直し

エージングも終わったので、経験豊かなアンプ・ビルダーである知人宅に持ち込んで評価してもらった。
使用したスピーカーも本格的なホーンタイプの2ウェイである。
評価は、中高音は良いが低域のエネルギーが不足しているとのこと。確かに彼の自作アンプと比べると低域が弱い。
彼の経験によると、このような場合、電源に問題があることが多いとのことである。

帰宅して電源のフィルター後の電解コンデンサーに100uF400Vを追加して試聴してみた。
確かに低域が充実したのが、自宅のチープなスピーカーでも判った。さらに100uF400Vを追加し合計300uFとしてみたが、この違いはよく判らなかった。
ということで、B電源にもFETリップルフィルターを追加してみた。この結果、残留雑音は0.1mV以下に激減した。
音も単なる電解コンデンサーの増量よりも良くなったような気がする。ある程度、聴き込んでから、また評価してもらおうと思っている。

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Last Update 24/Dec/2010 by mac