秋月のUSB-DAC KIT + FET差動バッファ・アンプ
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プロローグ

秋月電子通商のUSB-DAC KIT(USBオーディオDAコンバーターキット)に関しては、いつもアンプ作りの参考にさせていただいているぺるけ氏のサイトに 「秋月電子のDACキットAKI.DAC-U2704についての簡単な説明」「秋月電子のDACキットを使ったトランス式USB DAC」というコンテンツがある。
筆者もそれらを参考にして一つはLPFを組み込んだだけのものをPC用スピーカー・システムに、もう一つはトランス式USB DACに仕上げてVoyage MPDをインストールした組み込み用ボードに接続して メイン・システムとして使用している。

最近、ぺるけ氏のサイトに「秋月電子のDACキットを使ったFET差動バッファ式USB DAC」というコンテンツがアップされたが、トランス式USB DACとどのように違うのか非常に興味があったので、製作してみることにした。
FET差動アンプでは特性の揃ったFET類が必要であるが、それらはぺるけ氏から頒布していただいた。

組み立て

回路はぺるけ氏のサイトにあるものと同じであるが、バランス出力は不要なので、キャノン・コネクターは省いてある。
また、サイトにある「●アンバランス出力だけの場合のアレンジ」により、4個ある負帰還抵抗を1.8kΩに変更した。
その他は、スイッチを設けたのと電源ラインに手持ちのフェライト・ビーズFB-801を挿入した。
ラグ板の配置もぺるけ氏のサイトにあるもののコピーであるが、1枚は手持ちの12Pラグ板を使用したので、端子の不足を別のラグ板で補っている。

特性

下記はアンプ単体とそれにLPFを組み合わせた周波数特性である。
アンプにもLPFが組み込まれており、アンプ前置のLPFと組み合わされてトータルのLPFとして機能している。
秋月DAC単体の出力電圧が0.66Vであったので、それを0dBとした。

次はWaveGeneで44.1kHz、16bitの0dBFSと-20dBFSの信号を発生させDAC出力電圧を計測したものである。
1kHz0dBFSにおける出力電圧は1.58Vとなり、LPF+FET差動アンプのゲインは2.39倍となった。
なお、筆者のトランス式DACでは出力電圧は1.72Vであった。

最後はWaveGene+WaveSpectrumで計測したDAC出力の歪率特性である。

エピローグ

トランス式DACと本機を知人宅に持ち込み、知人のトランス式DACも含めて試聴してみた。
同じ秋月のDACキットを使用しているのにも関わらず、出てくる音は明確に違っていた。
トランス式DACは外連味がなくてリファレンスにぴったりだと思うが、それに対して本機は艶やかで心地よさを感じることができた。
知人のトランス式DACはPCM2706にタムラのTKSタイプを組み合わせたものであるが、こちらは低域が素晴らしく、使用するICやトランス、アンプによってこんなに音が違うものかと驚いた次第である。

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Last Update 9/Oct/2012 by mac