EL34 直結シングル・アンプ
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はじめに

友人に使って貰うためのアンプで、コンセプトどおりとはならなかった300B/VT52 シングル直結アンプをベースとした。
使用した真空管も友人からの貰い物なので、里帰りというところである。

回路

初段はテレフンケンE88CC、終段はEL34(3極管接続)でE88CCとEL34は直結となっている。
EL34のカソードには定電流回路が挿入されていて、プレート電流が29mA一定となるように 規制している。
カソードに定電流回路を挿入すると、そのインピーダンスは理論的には無限大となるので、信号ループを最短にするような箇所に電解コンデンサーを入れてある。
また、B電源回路にはFETを使用したリップル・フィルターを挿入した。
終段のカソードが100VとなりH-K耐圧が不足するので、カソード抵抗の接続点から70Vの電圧を取り出し、ヒーター巻線に接続している。

構成

出力トランスは、電流が30mAしか流せないので、EL34の動作は250V29mAと慎ましいが、 それでも5%歪みで2Wが得られる。

塗装済みシャーシーに自作サイド・パネルを組み合わせてある。

背面。

直結のため、終段のカソード電圧が100Vとなり、そこへ29mA流れるのでその損失が片チャンネル3W、両チャンネルで6Wとシャーシー内では結構な熱量となる。
片チャンネルあたり10Wタイプ抵抗を2本使用し熱耐力はかなり余裕を持たせている。
アンプ全体の入力電力は、EL34のヒーターが6.3V1.5A=9.45W、2本で18.9W、それにB電源が25Wでトータル52Wとなる。

特性

クリッピング・ポイントは2.0Wである。。
DF=4.5、NFB=3.6dBである。

どちらかという低域よりの特性であるが、1W出力時でも-3dBの範囲は18Hz-70kHzが確保できている。
このトランスは超高域(500kHz)にアバレによるヒークがある。

典型的なシングル・アンプの歪率特性である。
歪率1kHz5%の出力は2.0Wである。

おわりに

友人宅ではミニ・コンポと入れ替え、PC+本機+JBL小型スピーカーのラインアップで使用しているとのこと。
JBL小型スピーカーはミニ・コンポでも使っていたが、アンプを本機としたところかなりのレベルアップになったようである。

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Last Update 20/Nov/2011 by mac