PC用2.1chスピーカー・システム
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はじめに

PC用スピーカー・システムを新調したが、口径8cmのスピーカーでは低域は全くダメである。
中高域が悪くないだけに低域が出てこないとストレスが溜まってしまうが、口径の大きいスピーカーではPCラックに収まりきらない。
低域が不足しているだけであるので、サブ・ウーファーを追加し2.1chシステムに変更することにした。
サブ・ウーファーはラックの後ろに押し込むか、足下に置いておくことにする。

回路構成

PC用スピーカー・システムで使用したケースには、まだ空きスペースがあるので、そこへLPFとサブ・ウーファー用のアンプを組み込んでみる。

当然、電源電圧は5Vとなるので、低電圧でもそこそこ出力が得られるアンプを探したところ、秋月の「HT82V739使用ミニモノアンプ基板」が見つかったので、これを使用することにした。
これは5Vで動作するBTLアンプIC HT82V739を使用したモノラル・アンプ・キットであり、今回の目的にぴったりである。

R・Lの2ch信号は2SK30のソース・フォロワーを経由し、OPアンプの加算回路でモノラルに変換後、LPFを通過し、サブ・ウーファー用アンプに入力される。
LPFは多重帰還型であるが、手持ちの抵抗とコンデンサーを組み合わせたので、特性を見ながらチューニングした。
なお、フルレンジ用スピーカーとウーファー用スピーカーの出力音圧レベルに違いがあったので、OPアンプの加算回路では3倍程度のゲインを持たせてある。
サブ・ウーファーのレベル調整はミニモノアンプ基板の半固定抵抗で行う。
OPアンプは手持ちのJRC4558Dを使用したが、2回路入り汎用OPアンプであればOKである。
2SK30はIDSSが3mA程度のものから選別した。
フル・レンジ側のステレオ・アンプはPCスピーカーからサルベージしたアンプ基板を改造したものであるが、簡単な回路なので自作も容易である。

この回路構成ではフル・レンジ側は全帯域が出力されるが、低域の出ないスピーカーがHPFの役割を担い、サブ・ウーファーにはモノラルに合成され、LPFを通過した低域のみが出力されることになる。

特性

このアンプは、秋月USB-DACと組み合わせて使用することになるので、PCにインストールしたWGから16bit44.1kHzの信号を入力してDAC+アンプのオーバーオールの特性を負荷8オームで計測した。

サブ・ウーファーはナショナルの18cmウーファー18PL77Bを約20Lの自作密閉箱に入れたものである。
サブ・ウーファー用アンプの入力ゲインは半固定抵抗なので、いろいろな楽曲を聴いて適当と思われるレベルに調整した。
その後、ボリウムmaxでサブ・ウーファー用アンプの出力が8オーム負荷で1V(125mW)となるように、WGの出力レベルを調整しサブ・ウーファーとフル・レンジの周波数特性を計測した。
チューニング不足でLPFが50Hzで-2.3dBとBPFみたいになってしまったが、ハイ側はきれいに落ちてると思われる。

フル・レンジ側のクロストーク特性である。
8オーム負荷で1V(125mW)となるようにレベルを調整し、他チャンネルの漏れを計測したが、 20Hzから20kHzまで40dB以上が確保できている。
データシートによるとこのICのChannel Separation は1kHzで50dBとなっていたので、実装状態で40dB以上が確保できていればOKであろう。
一旦、FETで受けてからモノラルに合成しているので、この部分によるChannel Separationの悪化は回避できている。

まとめ

サブ・ウーファー用スピーカー・ボックスは、手持ちの板で自作した密閉箱で、外形寸法はW:40cm H:35cm D:17.5cm である。
スピーカー・ガードは百均ショップで見つけた調理用品である。
サブ・ウーファーはとりあえず、PCラック横の壁際に置いてある。
フル・レンジ側はFOSTEX FE83Enとスピーカーボックス P800-Eの組み合わせである。

サブ・ウーファーを使用した2.1chシステムを使うのは初めての経験であるが、最初はどうしても低域が出るのが楽しくて、サブ・ウーファー用アンプのレベルを上げすぎてしまうようである。
しかし、楽曲によってはもう少し低域を調整したいと思うこともあるので、 サブ・ウーファー用アンプのゲイン調整用は半固定ではなく、普通のボリウムをパネル面に装着した方が便利かもしれない。

PCラックに向かうとサブ・ウーファーは左横足下のポジションとなるが、低域はそこからではなく、正面のフル・レンジ・スピーカーから聞こえてくるのが面白いと感じた。
やはり、2.1chにすると8cmフル・レンジだけの2chとは、サウンドの厚みが違うのがよく分かるが、サブ・ウーファーをどこに押し込むかが思案のしどころである。

追補

サブ・ウーファー用アンプのゲイン調整は前述したように半固定抵抗であるので、適当なレベルに設定してある。
しかし、楽曲によっては低域をブーストしたい場合があるので、半固定抵抗を撤去し、パネル面に10kオームのボリウムを装着した。
基板を取り外したくなかったので、写真のように撤去した半固定抵抗の基板部分とボリウムを結線した。
これで低域のレベル調整がパネル面からできるようになった。

既存真空管アンプに2.1ch基板を組み込んでみました。

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Last Update 15/Sep/2012 by mac