RaspyFiについて
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はじめに

Raspberry PiをMusic Serverにする場合、通常はOSにMPDを組み合わせるが、最初からMPDが組み込まれたLinux distributionがあれば便利である。
そのようなLinux distributionとしてVoyage MPDがあるがx86用で残念ながらRaspberry Piでは動作しない。
RaspyFi (http://www.raspyfi.com/)
は Raspberry Piで動作するVoyage MPDのようなLinux distributionで、しかもセットアップが簡単にできる。

事前準備

RaspyFiの最新版であるRaspyFi1.0.zipをネットからダウンロードする。
筆者は下記サイトからダウンロードした。
http://sourceforge.net/projects/raspyfi/
ダウンロードしたイメージ・ファイルをSDカードに書き込むわけであるが、その詳細は 「Raspberry Piのいたずら」を参照してもらいたい。
筆者は4GBのSDカードを使用した。

セットアップ

RaspyFi1.0.imgが書き込まれたSDカードをRaspberry Piに装着し、USB-DACと音楽ファイルが格納されたUSBメモリーをUSBポートに挿入し、DHCP環境下にあるLANケーブルを接続して電源を投入する。
「Raspberry Piのいたずら」ではDHCPで割り当てられるIPを推測してWindowsPCからSSHで接続した。
しかし、RaspyFiではデフォルトでwebサーバーが動作しているので、WindowsPC等のブラウザーで
http://raspyfi/
とタイプすれば接続できる。
そのため、DHCPサーバーで割り当てられるIPを調べる必要もなく、簡単にRaspberry Piにアクセスすることが出来る。

左図がブラウザーから http://raspyfi/ とタイプしてアクセスしたページである。
各種の操作や設定はこのページから行うことができる。

もちろん、sshサーバーも動作しているのでIPを調べてsshクライアントから
username: pi
password: raspberry
でアクセスすることも可能である。
直接、ROOTとしてアクセスしたい場合は
username: root
password: root
とする。

それでは早速、音楽を再生してみよう。
ページ右上の SETTINGS タブをクリックし、Database→UPDATE MPD DATABASE を実行する。
その後、ページ左下の Browse タブをクリックすると左図のような画面となる。
USB は自動マウントされたUSBメモリーのフォルダーであり、WEBRADIO はインターネット・ラジオ局のフォルダーである。

USBフォルダーをクリックすると、USBメモリーに格納された音楽ファイルが表示されるので聞きたい楽曲を選択すると再生が始まる。

また、WEBRADIOフォルダーをクリックすると有名どころの50局ほどのインターネット・ラジオ局が表示されるので、好みの局を選択すればOKである。

RaspyFiではこれだけでMusic Serverが完成である。

セットアップその2

その他の設定項目もページ右上の SETTINGS タブをクリックすると出現する。

[Network Configuration]
webでアクセスできるのでIPを固定する必要もないが、SETTINGS タブをクリックしてNetworkを選択し、必要なデータを入力すると簡単に設定できる。
IPを192.168.0.85に固定する場合は以下のように設定する。
DHCP  disabled(Static)
IP address 192.168.0.85
Netmask 255.255.255.0
Gateway 192.168.0.1

[MPD Configuration]
SETTINGS タブをクリックしてMPDを選択した画面である。
ここは特に設定しなくてもOKであるが、DSD suportがあることに注目してもらいたい。
残念ながら、筆者はDSD機器を所有していないので確かめることは出来ないが・・・・

[System commands]
SETTINGS タブからSystemを選択した画面である。
ここには、CUIでコマンドを叩いてしか実行できない項目が並べられている。
reboot、poweroff、mpdrestart等がマウスのクリックで簡単に実行できる。

NASのセットアップ

SETTINGS→Database→NASで左図のような設定画面が出てくる。
筆者は自作NASを使用しているので、そのデータを入力してSAVE MOUNTをクリックするとNASに接続できるはずであるが、残念ながら、そうは問屋が卸さなかった。

RaspyFiでは /mnt/NAS が /var/lib/mpd/musicにリンクされており、/etc/auto.nasに設定画面で入力したデータが格納されているのがSSHでアクセスして確認できたが、それでも接続できなかった。

RaspyFiのForumをチェックしたところNAS接続に関するやりとりがたくさんあったが、SSHでアクセスして「こうやれ、あれやれ」みたいなものばかりで、どうやらwebだけからの設定では問題解決は難しいようである。
そうであれば、筆者も手慣れたSSHで接続してコマンドからNASの設定をすることにした。
直接、ROOTとして接続できるので、
username: root
password: root
として
/etc/fstabを以下のように編集した。
#vi /etc/fstab
//192.168.0.95/Music /mnt/NAS cifs username=root,password=samba,uid=mpd,file_mode=0644,dir_mode=0755,iocharset=utf8 0 0
#mount -a
マウント後、リブートを行い、NASタブをクリックするとようやく楽曲ファイルが現れ、選択すると再生できた。

おわりに

webだけからの設定で、ここまでできるRaspyFiは素晴らしいdistributionだと思われる。
惜しむらくはwebでNASの設定が出来なかったことであるが、次期バージョンでは改良されることを期待したい。

なお、RaspyFiはRaspbian “wheezy”をベースにしているようであり、
#raspi-config
とするとCUIの設定画面が出てくるので、お試しあれ。

最後にRaspyfiとMPDのバージョンを以下に示す。
$ uname -a
Linux Raspyfi 3.8.12+ #438 PREEMPT Wed May 8 22:31:10 BST 2013 armv6l GNU/Linux

$ mpd -V
mpd (MPD: Music Player Daemon) 0.17.4

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Last Update 25/Sep/2013 by mac