Raspberry Pi Zero W + ES9028Q2M DAC
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はじめに

ES9018K2Mを使用したDAC基板とRaspberry Pi Zero Wを組み合わせてみたが、次はES9018K2Mの上位機種であるES9028Q2Mを使用したDAC基板である。
今回、使用したDAC基板は ES9028Q2M ES9028 I2S Input RCA /XLR/3.5MM output Decode Board Mill DAC DSD IIS-32bit 192K /DSD64 128 256 で、バランス出力もあるので、メインで使用している平衡型アンプにも接続できる。

DAC基板

これが届いたDAC基板で、説明書等は一切なく、I2S接続用のコネクターが同梱されていただけである。
基板は、かなり大柄で音楽CDケースとほぼ同じ大きさである。
電源関係はACが2系統、必要であり、両波整流用の3線式AC 15-18VX2とブリッジ整流用の2線式 AC 7-12Vである。
3線式はOPアンプ用の±15V電源用であり、2線式はIC等の3.3V電源用である。
ただし、仮組立して通電したところ、ブリッジ整流用ダイオードの1本が赤熱してしまった。
チェックしてみると当該ダイオードが短絡状態になっていることがわかった。
それ以外に影響はなかったので、4本のダイオードを全て外し、手持ちのダイオード・ブリッジに入れ替えた。

仮組立

上述したようにDAC基板には2系統のAC電源が必要であるので、手持ちの2個のトランスを使用して中古アルミパネル上に仮組立してみた。
左上の黒色のトランスはAC15-0-15V用であり、左下のトランスはAC0-10Vである。
Raspberry Pi Zero WはRaspberry Pi Zero W + pHAT DACから転用したものである。

DAC基板のI2Sピンアサインは基板上に記載されており、Raspberry Pi Zero WのI2S端子は 左側写真の位置にあり、 これらをDACに同梱されているI2S接続用のコネクターで結線する。
ただし、LRCK、BCK、DATA、GNDの4本のみでMCKは未接続とする。

特性

OSは、とりあえず、使い慣れているRaspbian Stretch Liteを使用し、インストール等についてはRaspbian Stretch Liteを参照してもらいたい。
仮組立の状態であるが、SDカードに格納した楽曲ファイルを問題なく再生することが出来た。
192kHz24bitの再生もOKだったので、特性を計測してみた。
なお、Raspberry Pi Zero Wの電源は5VACアダプターである。

最初はRCA端子のアンバランス出力からである。
1kHz0dBFSにおける出力が2.64Vもあり、今まで計測したことのあるどのDAC基板よりも高出力である。
周波数特性では低域と高域に盛り上がりがあり、ES9018K2Mを使用したRaspberry Pi Zero W + ES9018K2M DACの特性と同じ傾向となっている。
かなり手抜きのバラックセットではあるが、残留雑音は160uVであった。

次は歪率特性であるが、こちらもそれなりの特性を示しており、ES9018K2Mを使用したRaspberry Pi Zero W + ES9018K2M DACよりも優秀である。

次はバランス出力であるが、バランス入力に対応した電子電圧計を所有しておらず、アンバランス入力のままで計測しているので、信頼性に欠けるが傾向は把握できると思われる。
周波数特性では20kHz手前から低下が始まっているが、これはアリババ・サイトの記述によるとバランス出力ではOPアンプによるLPFを施しているとのことで、それが計測結果にも反映されていると思われる。

次は歪率特性であるが、こちらは0dBFSから-10dBFSではアンバランス出力と良い勝負であるが、それ以降はかなり悪化している。
歪率計測でもバランス出力に対応したシステムではないので、その影響もあるかもしれない。

電源回路について

DAC基板に供給する電源については、上述したようにアリババのサイトには、両波整流用の3線式AC 15-18VX2とブリッジ整流用の2線式 AC 7-12Vと記載されていた。
下図は基板を追って推測した電源回路であるが、OPアンプに供給する3線式の電圧AC 15-18VX2は納得できるが、IC等の3.3V電源用に対してAC 7-12Vは高すぎると思われる。
せいぜい、AC5V程度あれば問題ないと思われるので、試してみることにした。
ただし、適当なトランスの手持ちがなかったので、DC5VのACアダプターを使い、DC5Vを定電圧レギュレーターLT1963の入力に仮接続してみた。
当然、AC入力は外してあり、出力としてDC3.3Vが得られた。
動作を確認すると全く問題がなく、念のため周波数特性を採ってみたが、上述した特性と同じであった。

ケーシング

仮組立でそれなりの特性が得られたので、ケースに納めてみる。
使用したケースは、かなり以前に購入してDACを製作した後、試作用に転用したものであり、パネルにはいろいろな穴が開いていたので、アルミパネルで覆ってある。
DAC基板には出力用のRCA端子やXLRコネクターが装備されているので、現物あわせで何とかパネルに穴あけした。
本機に必要な電源はDAC基板用にACが2系統、Raspberry Pi Zero W用のDC5Vであるが、これを2個のトランスで賄うことにした。
両波整流用の3線式AC 15-18VX2には豊澄 HP-155を、ブリッジ整流用の2線式 AC 7-12Vには、豊澄 HT-1205とした。
このHT-1205は2次側には6V-8V-10V-12Vのタップが出ているので、6Vタップの巻線を2つに分離し、0V-6Vと6V-12V(0V-6V)の巻線に分けることにした。
このように面倒なことをやらなくても最初から2組の巻線を有するトランスを使用すべであろう。
実はRaspberry Pi Zero W用のDC5Vを作り、前述したようにそれをDAC基板のIC用にも共用するつもりであったが、念のため、電源系統を分離するために思いついた苦肉の策である。
HT-1205の2組に分けた巻線の1つはそのまま、DAC基板の2線式 AC 7-12V用に使用するが、AC6Vで全く問題ない。
もう1つの巻線はブリッジ整流した後、定電圧レギュレーターで5Vにし、Raspberry Pi Zero Wに供給するが、USBケーブルは取り回しの関係で使えず、GPIOに接続した。

電源系統図は下記の通りである。

まとめ

ケーシングしたので、改めて周波数特性、歪率特性を計測した結果、上述した特性と同じであったが、残留雑音だけは160uVから40uVまでに低減されていた。
仮組立の際には、シャーシー代わりのアルミパネルとDAC基板のアースを接続していなかったが、ケーシングではアースをケースに接続したのが効いていると思われる。
DAC基板のRCA端子部分でケースにアースしようと思ったが、端子構造からそれは無理であり、イヤホーン端子の金属部分がアースだったので、そこをケースと接続した。
ES9018K2Mを使用したRaspberry Pi Zero W + ES9018K2M DACでは、電解コンデンサー等の交換等で、基板自体にかなり手をいれたが、本機は基板自体はオリジナルのままである。
気になる音であるが、Raspberry Pi Zero W + ES9018K2M DACよりも上手であると感じた。
バランス、アンバランスの比較であるが、LPFが入っているバランス出力の方が好ましいと感じたが、アンバランスもそれなりの音となっていると思われる。
本機は、系統毎に分離されたアナログ電源を内蔵しているのにもかかわらず、それなりにコンパクトに仕上げることができた。
32GBのマイクロSDカードを使用したので、FLACでは音楽CD換算で100枚以上の楽曲ファイルを格納できている。
バランス出力もあるので、リビングのシステムに接続して楽しんでいる。

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Last Update 10/May/2018 by mac