SRPP回路でドライブする直結アンプを数台、製作したが、同じ型式の真空管でもSRPP回路を構成すると各部の電圧は微妙に異なってくる。
次のプロジェクトでは特性の揃った4本の真空管が必要なので、手持ちの真空管を選別してみた。
12AT7のような双3極管でSRPP回路にした場合、各ユニットの特性が揃っていれば、下側ユニットのプレート電圧は電源電圧の約1/2になるはずである。
また、真空管の種類やブランドによるバラツキはどうなのかを確かめてみる。
回路図のようなSRPPを構成し、球を入れ替えて各部の電圧を計測してみた。
なお、バイアス用の2.2kオームの抵抗は相対誤差が少ないペアを選別してある。
下表が12AT7
のデータである。12AT7WCは次期プロジェクト用にまとめ買いしたものであり、
その他の12AT7は30年以上も前に入手した国産品である。
同じ12AT7WCでも各部の電圧はかなりバラツキがある。
下表はP2の電圧に注目してソートした表である。
この結果からするとペアで使えそうな組み合わせはNO1とNO10、
NO5とNO7である。
しかし、特性の揃った4本となると全くない結果となった。
下表が12AX7のデータである。これらの球も30年以上も前に入手したものである。
下表は同じくP2の電圧に注目してソートした表である。
この結果からするとペアで使えそうな組み合わせはかなりあるし、クワッドで使える可能性もある。
ただし、K2の電圧が0.8V程度なので実際に使用する場合には供給電圧を高めるとかの措置が必要となる。