45/VT-52 シングル直結アンプを製作したが最終的にはVT-52を挿して使うことにしたので、新たに45のアンプを寝室用として製作した。
ところが、虎の子のVT-52のフィラメントが断線してしまった。
VT-52は断線したものも含めて2本しか持っていないので、45/VT-52 シングル直結アンプは45に戻して使っている。
45も何本も持っている訳ではないので、寝室用のアンプに45を使うことが出来なくなってしまった。
手持ちの球を調べたらVT-25(10)やVT-25Aが複数本あったので、これを使って寝室用アンプを作ることにした。
ベースは当然45のアンプである。
VT-25/VT-25AはすでにVT25/VT25A Stereo Amplifierとして製作済みであるが、今回は直結としてみる。
回路は基本的には45 シングル直結アンプその2と同じであるが、前段を6BQ7Aとした。
VT-25をまともに使おうとすると、プレート電圧も高くなり、出力トランスも10kオーム程度のものが必要となってくる。
今回は、出力トランスは春日のKA-5730(7kオーム)、B電源も360V程度という制限でロード・ラインを検討した結果、250V15mAを動作点とした。
この条件ではバイアスが-20V程度となるので、6AQ8に比べてゲインの稼げない6BQ7Aでも問題なくドライブすることができる。
予想出力は0.5Wである。
45 シングル直結アンプその2を改造するわけであるが、VT-25のフィラメントは電源トランスST-130の6.3V巻線を整流する。
ST-130には6.3V巻線が2組しかないので、6BQ7Aのヒーター用として、6.3V0.5Aのヒーター・トランスを追加した。
球はRAYTHEONを使用したが、この球は酸化皮膜タングステンなので、トリニーテッドタングステンのように煌々とは点灯しない。
NFBはDF改善を目的に3.2dB掛けてある。
ダンピング・ファクターはDF=2.0である。
各出力における-3dBの範囲は
0.125W:20Hz-65kHz
0.5W:35Hz-55kHz
であり、低域が伸びていない。
高域は200kHzで「すとん」と落ち、900kHzのピークに向かって上昇している。
5%時の出力は1kHzで0.5W、10kHzでも0.5Wであるが、100Hzでは半分の0.25Wで
こちらも低域が良くない。
10%まで許容すると100Hzでも0.5Wとなる。
かなり無理してVT-25を使ってみたが、やはり使いにくい球だと思う。
VT-25は古典球シングル直結アンプの実験
において、東栄の出力トランスT-1200(7k)を使用して試しているが、こちらの方が100Hzの歪率特性が良い。
ただし、他の球では本機で使用しているKA-5730の方が良い特性が得られている。
14kオーム程度の出力トランスを使用するとどうなるか興味のあるところである。
KA-5730には4オームのリード線が出ているので、ここに8オームを接続して、見かけのインピーダンスを14kオームにすることもできる。
しかし、この使い方ではいろいろと問題があることが判っているので、とりあえず7kオームのままとする。
出力は予想どおり0.5Wとなったが、寝室用としては十分なパワーである。