QST 1995 November に「A Small High-Performance CW Transceiver」という記事が掲載された。執筆者は自作関係で有名なRick Campbell,KK7Bである。このトランシーバーはminiR2というダイレクト・コンバージョン受信機にVFO、送信部等を組み合わせたものである。
このminiR2は局発に対して上下のサイドバンドを受信してしまうというダイレクト・コンバージョン受信機の欠点を直交変換器を利用して取り除いてある。そのため、「single-signal」となっているわけである。
このminiR2がキットで販売されていたので、それを取り寄せ、送信部は国産のトランジスターで製作し、オリジナルの記事になかった CW Keyer 、アンテナチューナーを組み合わせてトランシーバーにしたのが本機である。製作は1996年である。
miniR2はダイレクト・コンバージョンそのものであるため、素直な音質で聞いていて疲れない。ただし、フィルターはAFフィルター、AGCも無いので、QRP機器にまとめるというコンセプトに向いている。
さすがに同キットは販売終了となったが、この発展バージョンであるmicroR2がkanhausから販売されている。
http://www.kangaus.com/
記事ではアメリカ製のトランジスターであったが、国産のトランジスターで送信部を製作した。ラインナップは2SC1957-2SC1971であるが、残念ながら現在ではこれらの石の入手はかなり困難である。変形パイマッチのチューナー部とCMOS Keyerも内蔵させた。
内部上部
左側が7MHzVFO、その右がキーヤー部、パイマッチの内臓チューナー
内部下部
右下がダイレクトコンバージョン受信部、その左が送信部
トランシーバーとしてのスペックは以下のようになる。miniR2のうたい文句であるsingle-signalであるが、聞いた感じではそこそこのサイドバンド・リジェクションはあるようである。
Out Put 3W
BAND 40m
MODE CW
ケースや一部の小物パーツは米軍ジャンクの流用である。
左下から右へ電源コネクター、Key、Phone、そのすぐ上がKey speed、
AF gain、RIT、Power
左上から右へANT、LOAD、OUTPUT indicator、TUNE、VFO
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