短波受信機のトランシーバー化
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回路構成

 短波受信機は熊本スタンダードのジェネレーター基板を使ったので簡単にトランシーバー化ができる。1stMIXERからクリスタルフィルターまでは増幅回路が入っていないので逆方向からもそのまま信号を流せる。1stMIXERからの送信出力が数mWあるので3ステージのアンプで増幅すると5W程度の送信出力が得られることになる。 この構成では6MHzから12MHzまで送信可能となるが、スプリアスの問題があるのでプリアンプにはバンドパス特性を持たせる必要がある。受信はゼネカバ、送信は7MHz、10MHzの2バンドとなる。

コントロール回路

 いつもの作り方では送受信プロックを仕上げてからおもむろにコントロール回路を作っていたが、今回は受信機が先に出来ていたのでそちらの制御も兼ねて先に作ることにした。制御項目は送受信切り替え、モード切り替え、サイドトーン、セミ・ブレークインである。回路はいつも使っているものでまとめた。
 モードがSSBの場合はPTTを押すと各リレーが瞬時に動作するが、CWモードの場合はリレー制御トランジスタのベース回路に挿入された電解コンデンサーと抵抗で構成された遅延タイマーによりセミ・ブレークインが可能となる。サイドトーンの出力はAFゲイン調整用ボリウムの入力側に接続するとAFゲインの調整で音量が調整できる。出力側に接続するとAFゲインとは無関係に一定音量となる。キーイングとリレー制御用トランジスタは必要とする電流を制御できる適当なものでOKである。


送信プリアンプ

 プリアンプは2SK241で簡単にすませた。CWモードで出力を計測すると約1mWとなった。同じ2SK241の受信用アンプを転用したときはもう少し出力があったが、FCZコイルではインピーダンス・マッチングが最適化されていないようである。
 この後は2ステージで増幅してQRP5Wを得るつもりである。実験として30m送信機のアンプのドライブ前に接続して出力を計測した。40mで5W、30mで4Wが得られたので、30m送信機と同じアンプで問題ないだろう。場合によっては30m送信機を外付けのアンプにしても良いかもしれない。

パネル左は周波数カウンター、左下が熊本スタンダード基板、その上が局発
中央がRFセクション、真空管は6BZ6、9ピンソケットは低周波増幅を真空管化
するためのもの

中央黒色ヒートシンクにはリニア・アンプ組み込み予定、その右はコントロール基板
上は送信プリアンプ、ヒートシンク左は真空管受信アンプ

仮運用

 ここまでできると実際に運用してみたくなった。送信用アンプは30m送信機を外付けにした。トランシーバー化した短波受信機の送信プリアンプ出力を外部へ出すためBNC端子を背面へ設置した。30m送信機の方もBNC端子を増設してドライブ段へ入力できるようにした。スタンバイ回路は30m送信機のセミ・ブレークインの遅延タイマーを最小に設定した後、キーイング入力を短波受信機のコントロール回路へ接続できるようにした。そのため、短波受信機の背面にアクセサリー端子も増設した。
 30m送信機出力にダミーロードを接続して短波受信機でキーイングすると出力計が振れている。別の受信機でモニターするときれいなトーンであった。サイドトーンもちょっとブザー音くさいが問題なしであった。
 軒下に張ったロングワイヤーと自作オート・チューナーで7MHzをワッチすると国内が聞こえている。CQを出している局をコールすると応答があった。449のレポートであったが、5Wにロングワイヤーではこんなものであろう。QTHやカード交換までして数分のQSOとなったがその間、同調ダイアルには手を触れずに済んだのでQRHも何とかなっているようである。
 全体的な印象としてはあまり使い易いとは言い難い。元々が6MHz幅をカバーするアナログVFOの受信機であるので推して知るべきである。ただ、このような広帯域なアナログVFOの割にはそこそこ安定しているが、周波数が直読できないのはつらいものがある。局発周波数からIF分を差し引いて運用周波数を表示するカウンターが必要であろう。

運用周波数の表示

 局発からIFを引いたものが運用周波数となるのでそれが周波数カウンターで表示できると非常に便利である。Web検索したらJK1XKP貝原OMのサイトにぴったりのものがあった。これはPICを使った周波数カウンターでIF周波数のオフセット機能付きであるので、局発の周波数を計測して運用周波数を表示できることになる。
 PICは扱ったことがなかったが、ちょうどよい機会なのでトライすることにした。秋葉原の秋月でPICライターキットなるものを購入した。その他にPIC特集のハム・ジャーナル誌や細々したパーツ類も買い込んだ。先ずはPICライターを組み立てた。マニュアルに従ってDOSソフトでライターのチェックをするがハードエラーが出てしまう。実は秋月のキットにはあまり良い思い出がない。昔作った周波数カウンターでさんざん苦労したことが頭をよぎった。結局、Windows用のソフトをインストールしてチェックしたらライターを認識した。試しにJK1XKP貝原OMのサイトからダウンロードした実行ファイルを付属していた16F84Aに書き込んでみたらOKであった。
 ハード関係は若干のアレンジをして組み上げた。プリスケーラーと機能スイッチの省略、プリアンプを2SK241に変更した。LEDは5連のものが入手できなかったので普通のものを使用し、LED部分と本体の2枚に分けて汎用の蛇の目基板に組み立てた。
 動作チェックであるが、ウィスキーを飲みながらやったらPICを逆向きにソケットへさしてしまいあえなく昇天させてしまった。やはり飲みながらでは注意力が散漫となるようである。PICはその一個しかなかったのでその夜はそれでお開きとなった。翌日、またまた秋月まで行き5個購入してきた。今回は無事動作したが、電源を再投入するとおかしくなってしまう。原因はレギュレータICの異常発振のようで、バイパスコンデンサーを追加したら安定動作するようになった。それが分かるまでにPICを3個つぶしてしまった。
 その後は至極順調でIFオフセットも問題なく機能した。オリジナルは16F84であったが後継機種の16F84Aでもオリジナルの実行ファイルで問題なく動作している。詳細な解説付きのソースファイルも公開されているので容易にカスタマイズできる。オフセット動作時の0.01KHz台の表示、オフセット周波数の事前設定等を施して使用している。
 局発との接続は、局発出力と68pFを介して行った。本来ならば、局発出力を2分配した方が好ましいが簡略化した。局発出力のインピーダンスは数十オームであり、カウンターは高インピーダンスなので局発に与える影響は少ないと思われる。やはり3連バリコンをむき出しにし、しかも6MHzも可変させているのでQRHには弱い。バリコンに息を吹きかけると数十Hz変動するし、ケースに力を加えても変動する。数十年前の米軍用真空管式受信機ではバリコン全体を厚手の金属ケースで覆っていることが多いが、これらは周波数変動対策である。今回の受信機でもバリコン周りの機械的強度をもっと高めればよかったと反省している。ただし、十分にウォーム・アップした後、静置した状態では数Hz/分程度に収まっているので短時間のQSOには何とかなっている。


周波数表示ユニット、回路図はこちら

      
中央円盤が目盛板、その右側がメインチューニング、上部左はスピーカー、その右が30m送信機改造の外付けリニア(5W出力)

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15/Feb/2003 Copyright all revered by mac