パソコンから自作トランシーバーをCWキーイングしようと思い立った。パソコンは2年ほど前に購入した東芝製のノート・パソコンであるが、COMポートがなくUSBポートのみである。使用するソフトは定番のzLogである。zLogのユーザーズマニュアルに「市販のUSB接続のシリアルポートインターフェースでも動作する可能性があります」とあったので、USBをRS232Cに変換し、DTR端子にトランジスター・スイッチを付加して、それでトランシーバーをキーイングしてみる。
USB-RS232C変換器はいろいろとあるが、秋月電子通商のものが延長ケーブル付きで1,400円と安価だったのでこれを使うことにする。
左が1.8mの延長ケーブル、右が変換ケーブル、透明ケースのコネクタ内にIC基板が入っている。
ドライバー類はバンドルされているCD-ROMで提供される。
東芝製のノート・パソコンにUSB-RS232C変換ケーブルを接続、CD-ROMからドライバーをインストールし、COM2に設定した。変換ケーブルのRS232Cコネクター、DTR-GND端子間のDC電圧がパソコンからのキーイングに応じて変化するはずなので、テスターをクリップで接続した。
zLogを立ち上げようとするが、MENU画面でハングしてしまう。変換ケーブルを抜くと、zLogは立ち上がるが、その状態で変換ケーブルを挿入するとやはりハングしてしまう。
パソコン | OS | 結果 |
東芝製ノート・パソコン | WindowsXP | NG |
NECノート・パソコン | WindowsXP | OK |
自作パソコン | Windows2000 | OK |
実験その1でキーイングに応じてDC電圧が変化したので、トランジスタースイッチで圧電ブザーを鳴動させる回路をバラックで組んだ。
自作パソコンに接続してzLogからCQを送出するとブザーが鳴動したが、パソコンでロギングしようとすると反応が遅くハング気味となる。NECノート・パソコンでも同じ傾向であった。
自作パソコンは本体にCOMポートを持っているので圧電ブザーを鳴動させる回路を直接、COMポートに接続すると、今度は全く問題がない。
どうやらzLogと秋月のUSB-RS232C変換ケーブルとの相性が良くないようである。
以上の顛末を所属クラブのメーリングリストへ投稿するとメンバーからRadio Contest Log RTCLを使ってみてはとの助言があった。 早速、ダウンロードして必要な最低限の設定をして、zLogでは全くダメであった東芝製ノート・パソコンで試すと、キーイングもロギングも全てOKであった。
zLogではダメであったが、RTCLでは使える目処がついたので、ケースにインターフェース回路を組み込んだ。入力側はRS-232Cのメス・コネクダー、出力側は3.5mmのモノラル・ジャックを2個用意し、エレキーもパラに接続できるようにした。
東芝製ノート・パソコンのUSB端子→変換ケーブル→インターフェース回路→電池管を使った40mQRPトランシーバーと接続し、RTCLを立ち上げた。トランシーバーはセミ・ブレークインである。CQを出している局を見つけ、マウスで「de JN1NDK」をクリック、次に「599 BK」、最後に「TU」と3回のクリックでQSO成立と相成った。簡単で疲れないが、ボケ防止のためにはやはりハドルでキーイングした方が良さそうである。
所属クラブのメンバーから秋月のUSB-RS232C変換器用の新しいドライバーが出ていると教えてもらった。チップの製造元にドライバーが置いてある。
http://www.prolific.com.tw/eng/Download-2.asp?ID=17>
から PL-2303 USB to Serial Bridge Controller のドライバーをダウンロードする。
ドライバーをzLogでは全くダメであった東芝製ノート・パソコンにインストールした。zLogを立ち上げ、試してみるとMENU画面でハングしてしまう。変換ケーブルを抜くと、MENU画面が進むので、その状態で変換ケーブルを挿入してみた。状況によってはCWを送出できるがかなり不安定である。少しは進歩したが・・・いろいろとトライしてみたい。
ダウンロードしたドライバーはWindows7にも対応しているようである。