今年(2005年)は戦後60周年である。というわけで、60年以上前に製造されたものを探してみた。もちろん、無線に関係するものである。ジャンク箱で一番最初に目についたものがこの100mA電流計である。製造は理研電機製造會社でRM-25型、JEC-47と書いてある。
理研電機製造會社でネット検索すると理研コンチェルンがヒットした。名前から想像できるように理化学研究所の関連会社である。創立は1940年となっていた。
製造年は左下に昭和16年(1941年)と書いてあるのが読める。
この電流計、試しにテスターを抵抗レンジにして電流を流すとちゃんと振れてくれた。
さて、この電流計を何に使おうかな。真空管式送信機を作りプレート電流を計測するとか、古い三極管でオーディオアンプを作り、カソード電流を監視するのも面白そうである。
昭和16年製造の電流計は国産だったので、外国製品で60年以上前に製造されたものを探してみた。古いナス管タイプの真空管も持っているが、残念ながら製造年を特定することができない。製造年が明確なものということで箱入りの真空管を調べてみたら1942年オーダーの米軍用真空管が見つかった。
真空管は傍熱三極管の1626である。この球はARC-5送信機の発振管として使われている。写真上が1942年にオーダーされた泣く子も黙るWESTERN ELECTRIC CO.の箱入りだが、中身はKEN-RAD製である。KEN-RADは独立系の真空管メーカーとのことなので、もしかするとOEMであろうか。それとも単に入れ替わっただけなのであろうか。
写真下は1944年オーダーでこちらは箱書きも中身もHytron Corp.である。上の球はU.S ARMY SIGNAL CORPS、下はJANとなっている。
最後は1943年オーダーの米軍用受信機BC-312-Nである。BC-312-Nは高二中二タイプのシングル・コンバージョン受信機で戦後は自衛隊にも供与された。本機も供与された機材で、桜のマークがペイントされていた。BC-312にはIFに水晶フィルターが装備されたものもあるが、本機は通常のLCのIFTだけである。今となってはSSBやCW受信では実用になりがたいが、そのかわり、短波放送を聞くのには最適である。
BC-312は数多くのメーカーで製造された。銘板からはORDER NO.14290-PHILA-43が読みとれる。 本機はFARNSWORTH TELEVISION & RADIO CORPORATIONで製造されており、製造メーカーの名前からもアメリカでは戦前にテレビが実用化されていたことがわかる。